国の出先機関の拙速なる廃止論に反対
熊本県下の31町村長の総意に基づき、内閣府において検討されている「国の出先機関の原則廃止~地方への移譲」について現時点では九州と関西の2地域限定で検討されていることへの懸念を示し、時期尚早とした要望書を民主党、内閣府地域主権戦略室、国土交通省、熊本県選出の国会議員へ提出した。
民主党政権は「地域主権戦略大綱」を閣議決定、地域主権改革を一丁目一番地に掲げているが、この議論の中で国の出先機関を廃止し、その機能をブロックを主体とした広域行政機構に移譲するとされている。しかしながら、この移譲は自ら手をあげた地域のみに限定され、現在のところ九州地区と関西地区の2地区が手をあげているのみであり、他の地域からの移譲要望は行われておらず、全国一律の制度(行政組織)で実施してきた制度が異なる形の組織体制をもって実施されることに対しての懸念も大きい。
また、昨年発生した東日本大震災、紀伊半島の集中豪雨等の復興においては、町村長のみならず、行政に携わる多くの者が国と直結した地方整備局の迅速な対応を心強く感じているところであり、移譲した場合の指示系統のルールも定かでなく、また、現在予定されている広域行政長(広域行政長は互選された知事)が一刻を有する危機的判断に集合体である広域行政長として責任をもって迅速に対処できるか大いに疑問が残るところである。
さらに、九州広域行政機構(仮称)として予算を確保する場合、移譲後は予算を地方から国に要望する形となり結果的に不利になるのではないかと懸念も生じる。
こういった懸念が払しょくされないまま議論が進むことに対しての31町村長の総意として懸念を伝えた。
要望においては、民主党本部の外山陳情要請対応本部副本部長(宮崎県選出参議院議員)に対応いただき本県選出の松野信夫参議院議員が同席いただいた。両議員とも地方選出の議員として地方の現状と照らし合わせ早急な廃止に対しては町村長同様懸念を示され党内でも十分検討することを約束いただいた。
このあと、国土交通大臣、副大臣、政務官を初め関係各部署と県選出の国会議員へ同様の説明を行い理解を求めた。
担当課
熊本県町村会
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