「熊本地震からの復興」目指し、副市町村長研修会を開催

熊本県町村会は、8月18日(木)午前10時半から熊本市東区健軍2丁目の県市町村自治会館講堂で、熊本県市長会との共催による平成28年度副市町村長研修会を開いた。
 毎年、テーマを変えて開催しており、今回は「熊本地震からの復興」がテーマ。県内の副市町村長、総務課長など約40人が出席して、熊本地震で最も被害の大きかった益城町の森田茂総務課長の「熊本地震 益城町からの報告」と、東日本大震災時に東北観光推進機構の推進本部長だった東北経済連合会常務理事・事務局長の齋藤幹治氏による「東日本大震災後の観光復興」の講演に聞き入った。
 
 講演で森田課長は、町の9割を超す家屋に被害があり、庁舎も被災して、最大1万6000人が避難する中、当初は職員の大半を被害把握と避難所支援に当てたこと、その後、部署の枠を超えた5つのチームを作り、罹災証明の調査・発行など被災対応を進めたことなど、町の取り組みを時系列で紹介。「1日に処理する件数より依頼件数の方が多かった」と、自治体の規模を超えた被害の大きさを語った。また他自治体、各機関との連携の大切さ、公的施設の天井や照明などを含めた耐震性能の強化、実践的な防災計画の策定と訓練の実施の必要性などを訴えた。町では今も職員の人手不足が続いているが、このほど復興への基本計画を策定。住民の意見などを取り入れた復興計画を年内に策定予定、と復興への取り組みも示した。
 
 齋藤氏は、東日本大震災後に大きく落ち込んだ東北観光は、東北の温泉地が避難所として被災者を受け入れたこともあって2年後には9割まで回復したことなどを紹介。新聞、テレビなどの大手メディアと連携した観光復興のアピール、福幸(復興)キャンペーンと名づけた被災地への観光客の誘致、フェイスブックなどを活用した国内外への情報発信など、被災の1ヶ月半後にはスタートさせた復興の取り組みなどについて話した。また被災地への集客について「観光には大きな力がある。福幸商店街、福幸市(いち)など被災地での企画をきっかけに観光客を呼び込み、被災者の理解を得ながら進めるといいのでは」とアドバイスした。


森田茂氏

齋藤幹治氏

担当部署

 熊本県町村会 総務課
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